
高松帝酸(高松市)が進めている高圧水素ガスの製造・技術開発が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のスタートアップ支援制度に採択され、2030年の商用化を目指して事業を進めることになりました。
高松帝酸が取り組んでいるのは、ギ酸(HCOOH)から水素(H2)と二酸化炭素(CO2)を取り出す技術です。産業技術総合研究所(産総研)が開発した触媒を通せば、高圧の水素と炭酸ガスを発生させることができます。圧縮機がなくても20メガPa以上の高圧水素を直接生成できるので、消費電力が削減できます。
水素を圧縮するには大型のコンプレッサーが必要ですが、ギ酸は常温で液体なので運搬がしやすく、水素ステーションなどで効率的に供給できるということです。また水素と炭酸ガスを分離して回収するシステムも特許出願中で、純度99.5%以上の液化CO2として有効利用できます。
産総研が新たに開発した触媒は1000時間以上の連続運転が実証されたことから、高松帝酸と産総研はNEDOから約5000万円の補助を受け、2028年3月まで商用システムに必要な技術開発に取り組みます。2028年から実証装置の開発を始め、2030年の商用化をめざすとしています。
政府が掲げる2050年カーボンニュートラルの実現に向け、ギ酸を水素キャリアとして活用する高松帝酸の「さぬき水素」への期待が高まっています。