
2026年に創業60周年を迎えた丸善工業は、ファッションバッグを中心としたポリエチレン製の袋と、全国シェアの1割を占めるうちわを製造しています。蓄積された独自のノウハウと高い印刷・製造技術で、さまざまな顧客ニーズに応えています。また、再生原料を使用した環境負荷の少ない商品づくりにも取り組んでいます。
――三谷会長が生まれる前の創業ですが、この60年を振り返っていかがでしょうか。
三谷朋幹(代表取締役会長):私の父が善通寺の会社に間借りしてスタートして、最初は印刷だけをしていた会社だったのですが、当時のプラスチック素材に未来があると考え、その分野に進んでいきました。
――そこで会社も大きく成長していったのですね。
三谷会長:そうですね。昭和の頃に原宿でキャラクターショップがはやり、そこで使われる袋の90%くらいは、うちに来てたんじゃないでしょうか。
――皆さんが原宿で持っていたバッグが、実は香川県で作られていたのですね。
三谷会長:はい。
――他社とはどのような点が違うのでしょうか。
三谷会長:カラー印刷がうちの強み。「12色印刷」と言いまして、全国に十数台ある機械のうち3台がうちにあります。カラー印刷の難しさをうちはずっとやってきているので、「難しい印刷があったら丸善さんに出しておこうかな」と言っていただけます。
――例えばこちらが12色刷りということですね。
三谷会長:そうですね。やっぱりこの鮮やかさが全然違うと思うんで、特別な色を使うのが12色の強みでもあります。
――素材としては再生原料も重要になっていますよね。
三谷会長:そうですね。こちらは海に捨てられたプラスチックごみを回収する業者さんから仕入れた原料をうちわのPP(ポリプロピレン)に入れているということですね。ナフサショックがあり、プラスチックが本当にいろいろなところで使われていると、皆さんが改めて再認識したと思います。限りある資源なので有効利用しようという考えがあり、様々なものに再生っていうことをやっています。
――働きやすい職場づくりに取り組んでいるそうですね。
三谷会長:それは父母、先代含めて、先輩方が細かくいろんなことをやってきたのを、時代に合わせて変えていくという流れです。総務のみんながすごく前向きにやってくれています。
――厚生労働省の認証も取られたのですね。
三谷会長:そういう賞とか認定とかは、あんまり先代含めて取るもんではないというわけではないんですけど……
――取らなくてもやるものだと。
三谷会長:そうです。そういうものだと思っていたんですけど、うちを辞めた人から「丸善工業がいい会社なのは辞めてから分かった」と言われたことがありました。会社の健康経営や子育て支援、残業削減といった取り組みはずっと続けているのですが、自分たちの会社の基準が世間に伝わるほうがいいだろうと、チャレンジし始めました。おかげさまで「プラチナくるみん」が2025年に取れましたし、障害者雇用の認定も受けましたし、健康経営も「ネクストブライト」、中小企業の上位1,000社以内に入ってるということで、だいぶ認めていただいて、ありがたいことです。
――それでは三谷会長流、元気な会社を作るコツとは。
三谷会長:「信頼と感謝」です。社員一人ひとりが生き生きと実力を発揮して、良い会社になっていくためには、お互いの信頼、そして仕事をそれぞれに任せる度量、そしてお互いが感謝することが必要です。信頼と感謝がないと、会社は元気にならないのではないかなと思います。
自由人、会社人-トップの横顔-
2026年9月19日・9月26日放送
聞き手:本庄 里恵子