地域経済

「受けた恩を忘れずに」——アイ工務店・坂井達也社長に聞く、人を起点にした経営哲学

● 岡山県● 香川県 2026/5/23(土)11:24
「受けた恩を忘れずに」——アイ工務店・坂井達也社長に聞く、人を起点にした経営哲学
アイ工務店・坂井達也 代表取締役社長

 注文住宅のハウスメーカー、株式会社アイ工務店は、本社を置く大阪を中心に北海道から沖縄まで全国47都道府県で事業を展開しています。
 喜んでもらえる家づくりをモットーに、これまでの常識にとらわれることなく、安全・安心を追求し、住まいづくりを一からサポートします。買った人が「いい買い物をしたな」と思えるような夢のマイホームづくりに取り組んでいます。
 坂井達也社長にアイ工務店の強みや経営哲学について伺いました。

「性能は全てのお客様に平等であるべき」——ワンスペックという考え方

―― 岡山・香川には今何拠点あるのでしょうか?
坂井達也(代表取締役社長):現在、岡山が7拠点、香川が5拠点になります。

―― 商品の特徴を教えてください。
坂井社長: 木造の有利性というのは縦方向の変化に強いということなんですが、住宅はハードの部分で言いますと、メンテナンスをかけると当然50年・60年、当たり前に持つんですけれども、実は多くの方が30年・35年で建て替えをしてしまうということが多い。
人が生活するとそれに比例して物が増え続けますので、手狭になって結果的に建て替えをしてしまうということになるんです。
我々は、高さをうまく利用して収納をたくさん取るという形のものを展示場で展開しております。すっきりと暮らせますし、将来的に物が増えた時に、そこにしまうことができますので、建て替えるリスクを減らして、家そのものの寿命を全うすることができると。

―― 会社の強みはどんなところだと思いますか?
坂井社長: 強みと言えるかどうか分かりませんが、一つは、我々は実は商品が一つしかありませんけれども、全てのお客様に同じ性能の商品をお届けしたいと考えているんです。
性能というのは後からなかなか変えることができなくて、例えば、今ご予算がなくてキッチンを標準のものにしたとしましょう。キッチンであれば後から変えることもできます。
変えられるものはお客様のご予算に合わせて取捨選択していただいたらよろしいかと思いますが、性能というのは、全ての方に平等であるべきではないかというふうに考えて、「ワンスペック」という言葉を使っております。その形で提供させていただいているというのが、いいか悪いかは別として、そういう方向で会社として進めているということです。

「社員4名から3200名へ」——市場より先に“人ありき”の出展戦略

―― アイ工務店は今期、大きく目標を達成するそうですね。
坂井社長:決算が6月末でございますが、今期は8000棟を超えるお引き渡しができる見込みになっております。

―― 社員の数もすごく多くなっていると思うのですが。
坂井社長: 2010年に創業した時は社員数4名でスタートいたしました。現状は4月現在で3200名を超える人数になっております。

―― 人が財産であったり、人とのつながりも大事ですね。
坂井社長:そうですね。多くの会社というのは、市場ありきということで、出展場所・順位を決められると思うんです。ところが我々は、市場よりもまず先に人ありきという形でずっと出展を進めておりました。

―― つまり、地元で採用してそこで頑張ってもらうということですか?
坂井社長:地元に骨を埋めるという覚悟がある人をいかに採用できるかということだと思うんですね。
住宅というのは最終的には地場産業と同じだと思っております。ですので、営業も建設も設計も地元の人を積極的に採用していますし、地元の方、精通している方がそこで活躍していただいて、そこのトップになっていただくという形が一番いいのかなと考えております。

「恩を忘れず」——いい人間関係を築きながら邁進を

―― 最後に、元気な会社を作るコツを教えてください。
坂井社長:私は「受けて忘れず 与えて思わず」と書かせていただきました。我々の仕事というのは1人でできるわけではなくて、多くの方に支えていただいて、お客様にご愛顧をいただいて、ご縁を頂戴して初めて成り立つ仕事です。そういったご恩を忘れずに、いい人間関係を築きながら邁進していきたいということでこの言葉を書かせていただきました。

自由人、会社人-トップの横顔-
2026年5月16日・5月23日放送
聞き手:本庄 里恵子